こんにちは村瀬です、今日は私が私がカラーリングをする際の技術をちょっとだけ公開します。
今回公開する技はほんの一部ですが市販のカラーリングではできない事やプロならではの毛髪を見る力が必要になってきます。一般の方だけでなく同業の方にも参考になればと思います。
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私が尊敬するカラーリスト
チョット話はそれますが私が尊敬するカラーリストさんは
西海さん
「どうして?」を考えよう 成功するヘアカラー (人気スタイリストへの近道シリーズ)
長崎さんのお二方、美容師の方ならみんな知っている方だと思いますが西海さんは本当にカラーリングの事を知り尽くしてめちゃくちゃマニアックな配合をする方で出版されている本は本当に勉強になります。
そして長崎さんはマニアックなカラー配合ですが年数が浅い美容師さんにわかりやすいカラーの本を出版されており解り易いと人気の美容師さん長崎さんのカラー講習なんて本当に毎回いけるかいけないかの競争です。
そんなお二方が私のカラーの原点でもありスタイリストを育成するにあたって非常に勉強になりました。
カラーリングの原理と考え方
カラーの原理をお話する前に簡単に髪の毛の説明をします。今回は毛髪の構造の説明ではないので簡単に。
まず髪の毛は丸いストロー状になっており表面をキューティクルが覆っています。髪の毛の中心には毛髄質(メデュラ)と言われる中心がありその周りに繊維状のタンパク質やメラニン色素があります※後日詳しく記事にします。
このメラニン色素は皆様もご存じの日焼けをすると現れる色素の事です。
この色素は大きく分けて2種類あり褐色(赤)色素と緑の色素に分かれます、専門用語でいうとユウメラニンとフェオメラニンです。
この2種類の色素が髪の毛に存在して髪を黒く見せている正体です。このメラニン色素の中でも日本人は褐色の色素が多い為黒い色に見えます、逆に欧米の方は緑色の色素が多い為金髪やブロンドの髪色になります。
カラーリングはこの色素を破壊し(ブリーチ)髪の毛に色素を入れるという作業をするのです。
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通常のカラー剤の染まり方と理論
大半の方が行っているカラー剤は酸化染毛剤ですがこのカラー剤の仕組みはまずメラニン色素を破壊します。※黒いのがメラニン色素
メラニン色素を破壊=ブリーチです。そうする事によって髪の毛が黒から → 赤 → オレンジ → 黄色と髪の毛の明るさが上がるにおおじて髪の毛の色が変化していきます。
最後に明るくなった髪の毛に色素が発色して色味がでます。
これがカラーリングの仕組みです、発色する色は髪の毛が明るくなればなるほど鮮やかに見えますがメラニン色素が破壊されているのでダメージの原因と言えます。
ヘアマニキュアの染まり方と理論
次にヘアマニキュアの場合ですがヘアマニキュアの場合は髪の毛の周りにしか色素が付着しないため、もともと持っている髪色+ヘアマニキュアの色になります。その為地毛の場合どんな色をやってもあまり色味が見えない傾向にあります。
しかし、一度カラーリングをして色味がなくなった髪の毛やブリーチ・ダメージで明るくなった毛髪に使用するともともと明るい髪の毛なので様々な色味が楽しめます。
ヘアマニキュアの場合は肌に優しいだけでなく毛髪にダメージを与える事が少ないので退色した毛髪に有効な技術でもあります。
トリートメントカラーの染まり方と理論
トリートメントカラーの場合は大きく分けて2種類の色素を使用しております。1つ目はヘアマニキュアと同様イオン結合する色素ともう一つは毛髪の内部に簡単に浸透する色素です。この異なる2つの色素をうまく配合してメーカー事に商品があるので何が入っているかを見極める必要があります。今回は割合します。
カラーリングをするのに覚えておかないといけない事
カラーリングをするにあたって覚えて置かなければいけないはたくさんありますが今回は題名通りちょっとだけという事で3つの重要ポイントを公開します。
本当であればもっとたくさんの事を伝えたいのですが記事のボリュームが多くなってしまうので次回詳しく説明します。
髪質で出る色味が変わる場合の考え方
まず、はじめの方でメラニン色素の話をしましたが人間のメラニン色素は大きく分けて赤っぽいメラニン色素と緑っぽいメラニン色素の2種類あります。
黒髪の方は赤が多く茶髪の方は緑が多いという特性があります。
その為赤い色素が多い方はどんなカラーリングをしても赤色に偏ったカラーの色味がで、緑系のメラニン色素が多い方は黄色に偏ります。
その為、カラーリングをする際には地毛の色味を見て補色と言われる技術を使いもともと持っているカラーの色味を抑える技法を使います。
退色した髪の毛はブラウン+色味
一度カラーリングをすると必ずメラニン色素が破壊されます、そしてある程度時間がカラーリングの色味が落ちていきます。
この状態の髪の毛の場合もともと持っているメラニン色素の色味が少ない為カラーリングをする際には、本来持っていた色素を補いながらカラーリングをします。
チョット昔のカラー剤や市販のカラー剤はもともとブランが入っているカラー剤が多いのでそこまで考えてカラーリングをする事はないのですが、最近のファッションカラーは色を鮮やかに出せるタイプが多くもともとブラウンを抜いたカラー剤が多いのでブラウンを必ず入れてカラーリングをします。
黒い髪の毛を明るくするには色味-ブラウン+補色
退色した髪の毛の反対の場合はカラー剤にもともと入っているブラウンと言う色味が邪魔になります。
黒い髪の毛を染める場合はブラウンの色味を抜く事によって退色した髪の毛の色味に合いやすくなります、ここでブラウンを抜かないと2回目以降のカラーをする時に常に退色した髪の毛を染めると毛先が明るい状態になってしまうので注意が必要です。
市販のカラーの場合黒髪と退色した髪の毛を染める事を想定している為にブラウンが入っているので2回、3回とカラーリングを繰り返すと毛先と黒髪の明るさの差がでるのはこのためです。
実際の設計図とデザインを考える
では、私がカラーリングを行うにあたって実際やっている配合例をちょっとご紹介します。今回はちょっとだけ紹介しますのであまり詳しく触れません。
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例1・初めてカラーリングをする場合
髪質によって染まりにくい場合、逆に染まりやすい場合はカラー剤の明るさをコントロールする事ともともとお客様が持っている髪の色味を考慮してカラー剤を塗ります。
初めてカラーをする時は根本から毛先まで何も考えないで塗れば大体綺麗にカラーリングができます
※明るいカラーリングの場合は少しテクニックが必要
例2・2回目以降のカラー
2回目以降のカラーリングの場合は伸びてきた黒髪と明るくなった髪の毛とカラー剤を変えます。
カラーリングをする時に覚えておく事でもお話ししたように根元の黒い所はブラウンを抜いたカラー剤を使用して、毛先の明るくなった所はブラウンを入れるという薬剤のコントロールをします。
例
① 9トーンの明るさのカラー剤
② 9トーンの明るさのカラー剤+9トーンのブラウン
例3・毛髪のダメージが高い場合のカラー
毛先のダメージが高い場合はさらに毛先の明るさにおおじてブラウンの量を調整します。①の所と②の所は上と同じですが③の所はさらにブラウンの色味を濃くします。
例
① 9トーンの色味
② 9トーンの色味+9トーンのブラウン
③ 9トーンの色味+5トーンのブラウン
例4・縮毛矯正のカラーリング
意外と知られていない縮毛矯正をしている方のカラーリングは非常に難しいです。トリートメントの選び方の記事でちょっと触れましたが髪の毛はアイロンなどの熱のダメージによって髪の毛もコゲます。
食パンでもそうですがコゲると茶色になるように髪の毛も茶色になります、その為どんなカラーを使用してもブラウンの色味が出てしまします。
また、縮毛矯正の技術が正しく行われていない事が多く縮毛矯正をした髪の毛は染まりにくくなります。
縮毛矯正をした髪の毛で自宅でカラーリングをした場合縮毛矯正をしている所が染まらなく根本のやっていない部分が明るくなるのはこの為です。
なので縮毛矯正をした髪の毛をカラーリングする場合はブラウンの色味を抜きさらに1トーン明るくなるカラー剤を使用します。
例
① 9トーンの色味
② 10トーンの色味
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例5・コテやアイロンを使う方のカラーリング
コテやストレートアイロンを使用している場合も縮毛矯正をしている場合と同じです。髪の毛がどれぐらいコゲているかによって使用する薬剤は変わってきますがコゲている部分を見極めてカラー剤を変更します。
例
① 9トーンの色味
② 10トーンの色味
になるのですがコゲ方が多い場合は毛先にブラウンの色味が強くでる場合があるので根本にブラウンを入れる場合もあり。
例6・縮毛矯正orアイロン+ダメージがある場合
ここまで説明して来た縮毛矯正と2回目以降のカラーを混ぜるともうわけがわからなくなってきます。
カラーリングは本当に難しい技術なので100人が100人気に入ったカラーにする事は本当に難しい技術なのです、ですから市販のカラー剤で気に入ったカラーリングになる事はほんの一部の方という事なのです。
明るさを変える場合のカラーリング
カラーリングは気分によって明るくしたり暗くしたり季節でいろんな色味を楽しみたいですね。
実は髪の毛を明るくする事は簡単なのですが暗くする場合非常に難しい技術なのでここはお客様より美容師さんの読んでもらいたいポイントです。
例1・明るい髪の毛をさらに明るくする場合のカラーリング
これはあまり考えなくてできる事です、希望の明るさのカラー剤を使用すればできます。
ただし、黒髪の部分と一度明るくした髪の毛のブラウンのコントロールだけすれば簡単にできます。
前回が9トーンに染めている場合の例
① 11トーンの色味
② 11トーンの色味+11トーンのブラウン
例2・明るい髪の毛を暗くする場合のカラーリング
明るい髪の毛を暗くするのが一番難しい技術です、真っ黒にするのは簡単ですがトーンを1トーン、2トーンだけ落とすのって難しい技術です。
多分美容師さんのほとんどが暗くなるカラーを使用して適正な時間が来たらシャンプーをしていると思います、でもそれだと1分でも遅かった場合暗すぎたりするんですよね。
ここではもう答えを書いちゃいますね。明るい髪の毛に特定のトーンのカラーを使用した場合はこんな感じです。
- 9トーンのカラー剤=色味だけ入る
- 8トーンのカラー剤=1~2トーンダウン
- 7トーンのカラー剤=2~3トーンダウン
- 6トーンのカラー剤=3~4トーンダウン
- 5トーンのカラー剤=4以上ダウン
つまり13トーンの髪の毛を9トーンにした場合は4トーンダウンなので6か5トーンの薬剤を使用すれば良いのです。
後は髪質によってブラウンのコントロールをしてください。
※5トーン以上のダウンは不可能
例3・黒染めのカラーリング
黒染めの場合はとにかく一番暗いカラーを使用します。私もよく黒染めでも早く落ちるようにとかあまり暗すぎないでとかオーダーされますが本当に難しい技術です。
上のトーンダウンをする場合のカラーレシピで希望のトーンにできる場合は良いのですが黒染めの方のほとんどの方が対応できない事がほとんどです。
ですから黒染めの場合使用するカラー剤は4トーン以下のカラー剤です。
白髪染めのカラーリング
白髪染めのカラーの場合覚えてほしいポイントはいくつかありますが今回はさわりの部分だけ公開します。
白髪を染める場合は本当に薬剤コントロールとカウンセリングのが最近の傾向です。
白髪の場合はメラニン色素がないのでカラーリングをする場合白髪ではない髪の毛の事を考慮してブラウン味の強いカラー剤を使用します。
白髪を染める場合はどんな色味を出せますが白髪と黒髪の差をなくす為にブラウンを強くするために好きな色味が出せないカラーともいえるのが特徴です。
しかし、一番重要なのは白髪の多さによってできるカラーリングの色味とできない色味があるので覚えておいてください。
白髪が少ない方が一番難しい
白髪染めで一番難しい方が白髪が10%ぐらいある方です。白髪染めの場合白い髪の毛と黒い髪の毛の差をなくす技術になりますが、実はそんな万能なカラー剤はこの世に存在しません。
白髪が少ない方を暗めのトーンにした場合このように白い髪の毛が浮いた感じになりメッシュを入れている感じになる傾向があります。
なので白髪が少ない方は明るめのカラーリングにしてあげると白髪は染まっていなくメッシュっぽくなるのですが周りの黒髪との差が少なくなりオシャレにカラーリングを出来ます。
白髪がある程度ある場合
一番多い方がこのタイプの方です、白髪が全体に結構ある場合は普通に希望のトーンにしましょう。
白髪が30%前後の場合はお客様が希望したトーンの薬剤を使用すれば綺麗にそまります。
仮に明るくした場合でもそこまで白髪と黒髪の差が生まれないので白髪染めで一番簡単な技術で一番多いタイプの方になります。
白髪が多い場合のカラーリング
白髪が50%を超えると状況が変わってきます。美容師さんの方に言っておきます白髪が50%を超えると使用したカラー剤よりも1~2トーン明るくなります。
白髪50%の場合暗くしても白髪が多いので使用したカラー剤よりも明るくなる事が多いのです。
50%以上白髪がある方を明るくカラーリングをした場合もう金髪に近い状態になるので必ず50%以上ある方は希望のトーンを聞いたら1~2トーン低く設定しましょう。
白髪100%の場合
白髪が100%の方はほとんどいないと思いますが説明しておきます、白髪が100%の場合又はそれに近い場合は使用したカラー剤より2~3トーン明るく仕上がります。
白髪100%の場合は黒い髪の毛がないので当然明るく見えるのです。白髪が100%の方は本当に少ないのですが、前髪やもみ上げだけ白髪が多い方は必ず薬剤をコントロールする必要があるので覚えておいてください。
カラーリングのまとめ
今回は美容師さんに向けて書いた記事になりますが美容室ではこんな事を考えてカラーリングをしていますのでやっぱり自宅よりも美容室でカラーリングをしましょう。
また、美容師さんももっとカラーリングのスキルが上がってくれるとよいと思います。