こんにちは村瀬です。今回の記事は美容師さん向けの記事です。
今回は現在の美容室で行うトリートメントで一番結果が出るやり方を説明していきます。
これで美容室のトリートメント特集も最終会です。もう当分トリートメント記事は書きません。
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美容室のトリートメントでは髪は治らない
まず、ここまでずっとお話をしておりますが美容室のトリートメントでは髪の毛は治りません。
でも、髪の毛を綺麗にするためにはダメージになる原因を徹底的に無くす事が大切です。
というお話をしましたが髪の毛を綺麗にするためにはまず美容室と自宅でのお手入れの双方が大切になってきます。
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美容室のトリートメントって?
で、実際に私達美容師が使用しているトリートメントってたくさんあるのですがあれもこれも付けてなんなん?
って皆様感じていると思いますが美容室で使用するトリートメントは『トリートメント』ってお客様に解り易くいっているだけでたくさんの種類があります。
トリートメントの種類については前の記事で詳しく書きましたが主に髪の毛がこれ以上傷まないように処理する物です。
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PPTトリートメント
美容室で使用するトリートメントでも一番多く使用するのがPPTトリートメントです。
このトリートメントは主に疑似的に栄養分を補給してパーマ・カラー・ストレートなどの技術を綺麗にしてくれるというものです。
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システムトリートメント
システムトリートメントは現在美容室の主力の技術で主に質感を向上しながら髪の毛の栄養分を補給&コーティングするという物
システムトリートメントは様々なメーカーが出しておりますがほとんどが同じレベルの物だと思います。
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トリートメントは組み合わせれば髪の毛が綺麗になる。
これらのトリートメントを合わせればどんな髪の毛も綺麗にする事が出来るはずです。
まず、髪の毛が収まらなかったりまとまらないのは4つのケースと考えられます。
どれも髪の毛がまとまらない原因ですがダメージによって髪の毛は広がりやすく手入れがしにくくなります。
元々直毛だったけど、カラーやパーマを繰り返すようになって広がるようになった方はキューティクルや髪の毛の中の物質がなくなっただけなので補充してコーティングをすれば何とかなるという事です。
トリートメントが髪に入る理屈
前回の記事でトリートメントは小さい方が髪の毛に入りやすいってお話をしました。
ですからトリートメントは小さければ毛髪内部に入ると考えられます。
しかし、トリートメントの大きさが小さいと抜けやすいのです。これは当然入るので抜けるのが当たり前ですね。
では、入口よりも大きい物質を髪の毛の中に入れたら出てこないんじゃない?
って思いますが、入口よりも大きい物質は髪の内部には入る事が出来ません。これを解決するために3浴式トリートメントの反応型が有効と書きましたがほとんどの美容師がその事実を知りません。
では、毛髪の構造を理解しましょう
トリートメントって本当に毛髪の中に入るのか?そしてどこに作用するのかを少し語ります。現在多くの方が知っている毛髪は上の図の通りだと思います。
上から見るとこんな感じですね。
これは美容学校で習ったと思いますし、国家試験でも出てきたと思います。
でも、待ってくださいね。
本当の髪の毛の構造はこんな感じです。
もっと細かく分ける事が出来ますがこれぐらい知っていれば十分です、知っていてそんはないのですが覚えていても役に立ちませんので。
大切なのはパーマやカラーの薬剤がどこに反応するのか?トリートメントはどこまで入るのか?
理解する必要があります。
髪の毛を本当に綺麗にするにはトリートメントを毛髪の奥深くつまり、非結晶性ケラチン・結晶性ケラチンの所まで到達させる必要があるという事です。
その前にカラー・パーマ・ストレートを理解しましょう
トリートメントを効果的に使用するためにはまず薬剤がどこに反応していくのかを知っておく事が大切です。
薬剤により毛髪のどこがダメージになるかを知っておくとどんなトリートメントが必要なのかがおのずと理解できるようになります。
カラーリングの場合
では、カラーリングの場合はどこに薬剤が反応するのか考えてみましょう。
まず、カラーリングの場合はまず、メラニン色素を破壊します。破壊したのちマトリクスやCMCの間にカラー剤の色素がとどまります。
つまりカラー剤の場合は上の図の部分まで薬剤が到達するという事です。
カラー剤がここまで浸透するには主にアルカリ剤を使用する事で到達すると言われております。
しかし、毛髪内部のCMCはアルカリ性に弱くシャンプーをするとCMCがアルカリ剤により乳化されどんどん流出されます。
これがカラーリングによる毛髪のダメージです。
つまり、カラーリングではCMCを補給する事とカラーリング後のアルカリ除去が大切という事です。
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パーマ・ストレートの場合
次にパーマ・ストレートの場合はどこに反応するかです。
パーマのS-S結合はこの部分、非結晶性ケラチンをつなぎ合わせている所にあります。
もう一度全体を見てみます。
つまりここです。
ここまで奥まで到達するのがパーマ・ストレートパーマなのです。
パーマ・ストレートパーマの薬剤は高濃度のアルカリ剤を使用して毛髪内部に到達させますのでかなりのダメージになると言われております。
逆にアルカリ剤を使用しないで毛髪内部に薬剤を浸透させれればダメージが出ないパーマが出来るという事になりますよね。
これが化粧品登録の薬剤という薬剤になります。
LINKコテパーマ・デジタルパーマ・パーマ・コスメカールの違い
で、重要なのはここまで奥深くまで薬剤が入るので薬剤が浸透したらなかなか髪の毛の中から出てこないという事です。
逆に言うとパーマと一緒にトリートメントを使用すればより毛髪の奥深くまで浸透するっていう事です。
この手法を膨潤トリートメントと言います。
正しい膨潤トリートメントのやり方
膨潤トリートメントの方法は至って簡単で主に2種類あります。
ポイント
- パーマの薬剤を使用してからトリートメント
- 尿素なのでキューティクルを開いてからトリートメント
パーマの薬剤を使用してからトリートメント
尿素などのキューティクルを開く物を使用してからトリートメント
1種類目の膨潤トリートメントで注意をしなければいけないのはアルカリ剤が使用していない物でないといけない事と、薬剤を作用させすぎてはいけない事です。
2種類目の膨潤トリートメントは尿素だけだと浸透力が弱いのでスチーマーなどの湿熱が必要になるので時間がかかるという事です。
現在支流の膨潤トリートメントですが弱いパーマ液か化粧品登録の薬剤を使用する方法と尿素系の浸透液と弱いパーマ液を混ぜて使用する方法が多いと思います。
パーマ液は出来れば酸性のシスがあればいいのですが販売されている商品がないので自作するしかありません…
実際の施術工程
施術工程
- 薬剤を使用する
- 膨潤するまで時間を置くかスチーマーで浸透させる
- 毛髪を膨潤させる
- 流してバッファー剤を使用
- 酸リンスを使用
- システムトリートメントをする
- 2剤を使用する
- バッファー剤を使用する
- ヘアアイロンで仕上げる
1まず薬剤を使用して膨潤させます。膨潤させる時はなるべく自然か湿熱を使用すると良いです。
膨潤完了の合図は髪の毛が少し明るくなったらOKです。膨潤後は薬剤を除去してシステムトリートメントに入ります。
トリートメント終了後は2液ですが過酸化水素とブロム酸でバッファー剤の使用するタイミングを変えましょう
(過酸化水素はアルカリ性で反応する)
(ブロム酸は酸性で反応する)
最後が低温のヘアアイロンで仕上げて完成です。
LINKヘアアイロンの適正温度と熱で髪の毛が傷む理由正しいヘアアイロンの使い方
膨潤トリートメントの最大の利点はくせ毛や髪の毛が広がるがる髪の毛が収まる事です。
髪の毛が剛毛な方も髪の毛を柔らかくするという事が出来るのでどんな方にもおすすめのトリートメントのやり方です。
ただし、時間とコストがある程度かかるので料金もそれなりの料金が必要いなってきます。
また、ハレーション毛の場合は出来るできないがあるので注意してください。
まとめ
現在では毛髪を治す事はできませんが髪質を改善するという事はどれだけでもできます。
ただし、必ず自宅での正しいケアが必要になってくるのでお客様を時間をしっかり作り1から説明をして間違いのないヘアケアをしてもらいましょう。
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