こんにちは村瀬です。
今回は髪の毛が傷む理由です。以前パーマとヘアアイロンはどちらが傷むのか?っていう記事を書きましたがその中で物理的なダメージと科学的ダメージがあるって書きました。
そのなかでカラーやパーマは薬剤による科学的ダメージがあるっていう事に触れましたが実はカラーやパーマをした後自宅でシャンプーをするたびに痛みが進行します。
その原因の一つが髪の毛にアルカリ剤が残っているとどんどん傷んでいくよっていうお話です。
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なぜアルカリ性だと髪が傷むのか?
まず、なぜ髪の毛がアルカリ性になると傷むのかっていう疑問なんですがあまり詳しく語られていないので記事にしますが髪の毛がアルカリ性になって傷む原因は大きく分けて2つあります。
傷む原因
- アルカリ性による毛髪の膨潤 → 毛髪の栄養分が髪の毛の外に出る
- アルカリによる毛髪内の油分の乳化
この事により毛髪が傷むとされております。
では、なぜアルカリ性だと髪の毛が傷むのかを具体的にお話をしていきます。
アルカリ性ってなんだろう?
アルカリ性って小学校ぐらいで習ったと思いますがクエン酸やお酢などは酸性でアンモニウム水や炭酸水素ナトリウム(重曹)はアルカリ性です。
髪の毛やお肌の表面はよく弱酸性って言われると思いますが健康な状態のPH(ペーハー・水素イオン濃度)の値で言うと髪の毛はPH4.5~PH5.5お肌の表面はPH5~PH6と言われております。
このPHの値が大きくなればなるほどアルカリ性っていう事です。
石鹸や洗剤でもアルカリ性の物の場合皮脂の油を乳化する力が強い為よく汚れが落ちます。
逆に酸性のタイプの場合は乳化する力が弱くなるのでお肌に優しいと思われがちですが逆に落とすべき汚れが残ってしまうのでどちらが良いのかは個人的に悩む所です。
シャンプーも洗顔も弱酸性が良いって言われていましたが私には思う所がたくさんありますが以前書いた記事をお読みください。
個人的には酸性だろうがアルカリ性だろうが関係ありません。配合される成分がどうなのかが問題なだけです。
よく考えてください。お肌が綺麗になる温泉はアルカリ性なんですよ。
ですからアルカリ性だから酸性だからって考えは捨てておいた方が良いと思います。
シャンプーや化粧水も弱酸性が良いって言われておりますが全く根拠のない事なので弱酸性だからいいとかそういうのではないのでお間違えの無いようにしましょう。
もう少し酸性とアルカリ性の関係を詳しく説明します。
もう少し酸性とアルカリ性の関係をお話していきます。
今回は紅茶をイメージしてください。
紅茶にレモンを入れると紅茶の色が薄まりますよね。これはレモンの汁はPH2.0~3.0で酸性で紅茶の赤い成分を薄くする作用があると言われております。
逆にアルカリ性である重曹を入れると紅茶は逆に黒くなります。
こんな感じでアルカリ性になったり酸性になったりするだけで紅茶の赤色を表している成分が変化します。
※レモンはビタミンCの還元作用も関係しております。
毛髪と酸性とアルカリ性の関係
では髪の毛の酸性とアルカリ性の関係です。
以前プロが教えますトリートメント・コンディショナー・リンスの違いで石鹸シャンプーを使用していた時代は髪の毛を酸性に戻す為に酸リンスを使っていましたって記事に書きましたがその当時はどちらかと言うと髪の毛がアルカリ性になるとキューティクルが開くから引き締める為に酸性になるようにしておりました。
あれから時代が流れて現在パーマやカラーを当たり前のようにする時代になりました。
現在のヘアカラーは一昔前よりも明るく染められるようになりました。その為現在は昔よりも明るい色に染める事も出来るようになりました。
なぜそんな事が可能になったかと言いますと1つは技術の進歩でもう1つが髪の毛の構造の解明が進んだって事です。
技術の進歩は科学的にいろいろな物を作れる用になったという事で髪の毛の事が段々解明されて来たという事です。
実は現代科学を持ってしても髪の毛って全体の10%ぐらいしか解明されていません。
ですから髪の毛の構造や何で白髪になるのか?何で抜け毛になるのかっていう事はあまりわかっていません。
ですから、ここ5年ぐらいで毛髪の理論はかなり進歩して来て10年前と言っていた事が全く真逆だったりもする訳です。
チョット話がそれましたが、昔の薬剤よりも髪の毛に効果的に薬剤を浸透させる技術が格段に上がったという事です。
その反面髪の毛の内部にカラーのアルカリ剤が残りやすくなってしまったとも言えます。
アルカリの違い
- アルカリ性になる = 一時的
- アルカリ剤が残る = 抜けるまでに時間がかかる
という意味が違うので頭の片隅においてください。
アルカリで髪が傷む原因と石鹸の作り方と同じ
石鹸の作り方が重要なので少しお話しますが皆様は石鹸の作り方をご存じですか?
石鹸って油(油脂)にアルカリ剤を入れて煮込んで作ります。
そのアルカリ剤の種類によって固形であったり液体であったりと変化します。
で、もともと石鹸って紀元前3000年頃に神様へのお供え物としてひつじを焼いてお供え物をしていた時にお供えした後の砂や砂利が泡立ち汚れが落ちる砂って当時は神様からのお恵みって考えれれておりとても貴重に扱われたのです。
それから月日が経ちひつじを焼いた時に出る油(油脂)と木炭(アルカリ)が砂に染み込み石鹸が出来るという事が解明され現在の石鹸に至ります。
つまり、アルカリと油分はとても相性がよく混ざり合うと言う事です。
アルカリとアルカリ性の違い
アルカリとは物質の事でありアルカリ性とは物質を溶かした状態です。
つまり髪の毛がアルカリ性になっているとアルカリ剤が残っているのは少し意味が違います。
髪の毛にハチミツ水や重曹水と言うアルカリの水溶液を染み込ませれば一時的に髪の毛はアルカリ性になります。しかし流して乾かせば元の戻ります。
つまり成分が残らなければ髪の毛自体はアルカリ性にならないという事です。
逆にカラーやパーマの施術をすると髪の毛の中にアルカリ剤が残ります。
ですから洗っても乾かしてもなかなか髪の毛から出てきません。この状態を髪の毛がアルカリ性に傾いていると言える状態です。
この状態だから酸性のシャンプーや酸リンスを使用しても一時的に中和されますが乾いたら同じと言う事です。
髪の毛のCMCとアルカリの関係
では髪の毛とアルカリの関係を具体的に説明していきます。
髪の毛はタンパク質が8割って言われておりますが実はそのタンパク質を束ねているのがCMCと言われる油の一種です。
この油分は髪の毛の全体の20%ぐらいなのですが髪の毛と髪の毛を張り合わせる糊のような役割をはたしております。
カラーをするとメラニン色素がなくなりますってプロのカラーリングの技法と理論をちょっと公開するよの前半でもお話したようにカラーリングはメラニン色素を破壊して色素が髪の毛の中に残ります。この時にカラー剤のアルカリ剤が必ず残ります。
このアルカリが髪の毛のCMC(油)をお友達になり髪の毛の外に出てしまうからダメージになるのです。
ですから美容室もカラーの除去作業をしなければいけないし自宅でもカラー剤の除去作業を行わないといけないのです。
ドライヤーとかヘアアイロンの熱
もう一度石鹸を作る工程を思い出してください。
アルカリ剤と油を混ぜ合わせて煮込むと出来るのが石鹸です。
つまりアルカリ剤が残っている状態で髪の毛に熱を加えると髪の毛の油分がアルカリ剤と化合するっていう事です。
怖いですよね…
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アルカリ性だとなぜ髪の毛が傷むのか・まとめ
1度髪の毛に入ったアルカリ物質はどんな薬剤やトリートメントを使ってもすぐには除去できません。毎日のシャンプーやお湯洗いで徐々に中和されていくのです。
カラーリングとパーマは同じ日に同時施術できない理由は美容師法で決まっておりますがこういった理由もあるのです。
※化粧品登録の薬剤は別
色々長く寄り道して説明しましたが、正しいヘアケアを守ってしっかりとしたヘアケアをしていきましょうね。
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