こんばんは村瀬です。今回はヘアアイロンの正しいと温度とヘアアイロンの熱で髪の毛が傷む理由についてお話していきます。
ヘアアイロンはカールを付けたりするものでコテと呼び、髪の毛を真っ直ぐにする方はストレートアイロンといいます。一般の方はたぶん両方を合わせてヘアアイロンと言うと思いますが基本的な使い方は同じなのでご紹介していきます。
ヘアアイロンは高温が出るタイプの方が良いと思っている方が多いのですが、高温が出ると実際は髪の毛のダメージの原因になってしまいます。そこで今回はヘアアイロンの適正な温度と使い方を紹介します。
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ヘアアイロンで傷む3つの原因と理由
まずヘアアイロンで髪の毛が傷む理由ですが大きく分けてヘアアイロンの熱、ヘアアイロンの熱による水分蒸発、過度のプレスによる物理的ダメージです。
へアイロンによるダメージを専門的な言葉でいうと、熱によるタンパク変性・水蒸気爆発・過度のプレスです。
このダメージはそれぞれどういった事なのか具体的に説明していきます。
髪の毛が傷む原因
- 熱によるタンパク変性
- 水蒸気爆発
- 過度のプレス
ヘアアイロンの熱によるダメージで起こるタンパク変性
まず、タンパク変性に付いてです。髪の毛はタンパク質でできています、タンパク質を解り易く説明しますと卵、魚、お肉も同じタンパク質でできていますよね。
魚やお肉卵は熱を与えるとタンパク質が固まります。さらに熱を与えると焦げます。この状態の事を熱によるタンパク変性といい当然髪の毛も同じです。こういったダメージを熱によるタンパク変性とよんでいます。
生の場合 | 熱によるタンパク質の変性 |
髪の毛同様でドライヤーやヘアアイロンで熱を与えると肉やお魚のように固くなり最終的には髪の毛も焦げて炭状になります。肉や魚が焦げるのと同じで、髪の毛も炭のように固くなります。この事を髪の毛の炭化現象と言いいます。
縮毛矯正や毎日髪の毛にヘアアイロンを使用している人はこの状態になっている事が多いです。
また、お料理でお肉や魚を柔らかくするためにワインに付けて柔らかくする事も科学的なタンパク変性です。
これは髪の毛も同じでトリートメントやリンスをすることによって含まれているエタノールで柔らかくしなやかにしているのでトリートメントやリンスが必ず髪の毛に良い物ではないという事を覚えておきましょう。
こういった科学的・物理的なタンパク変性は一度起こるともう元に戻りません。ですから髪の毛にダメージを与えない事が大切です。
ヘアアイロンやドライヤーの熱からのタンパク変性を防ぐには洗い流さないトリートメントを使用して髪の毛になるべく熱を与えない事が重要です。
ヘアアイロン前の洗い流さないトリートメントは熱に強いオイルタイプのトリートメントがおすすめです。
また、コテなどのスタイルを作りやすくする場合はスプレータイプのトリートメントなどを併用する事がおすすめです。
LINKヘアアイロンでダメージを気にしているあなたへおすすめのトリートメント
ヘアアイロンの熱で起きる水蒸気爆発
ヘアアイロンによる水蒸気爆発は意外と知られていないのですが、髪の毛がまだ水分が残っている時に起こる現象です。
よく髪の毛が生乾きの状態でヘアアイロンを使用すると『ジュジュジュ』っていう音がするあれです。
この水蒸気爆発を体験している方も多いと思います。朝起きて寝癖直しに水スプレーや巻髪ローションを使用してあまり乾かさない状態でヘアアイロンを使用すると必ず起きます。
水蒸気爆発での髪の毛のダメージを簡単に説明すると水(水分)は水蒸気になると体積が1700倍にも膨れ上がります。
毛髪内部で小さな水が一気に蒸発して体積が大きくなるのです。
水が蒸発して水蒸気になると毛髪が破裂します。例えるならば風船のように大きく膨れ上がり破裂するのと同じです。
髪の毛も破裂した風船のように毛髪内部から穴が出来髪の毛がザラザラとした感じになるのです。
水蒸気爆発を防ぐには髪の毛をしっかり乾かしてヘアアイロンを使用するか、水分が蒸発しない100℃以下でヘアアイロンを使用する必要があります。
※美容室の縮毛矯正技術では濡れた髪の毛にヘアアイロンを使用する場合もあります。
ヘアアイロンのプレスで起きる物理的ダメージ
ヘアアイロンのプレスによるダメージ。これは単純にヘアアイロンでの強く挟みつぶしてしまっている場合に起こるダメージです。
美容室での縮毛矯正でも経験した事があると思いますが、髪の毛をストレートにしようと美容師さんがしようと過度にぐいぐい引っ張られる事がありますがこれもプレスによるダメージの原因です。
過度にヘアアイロンでプレスすると髪の毛は真っ直ぐになりますが、髪の毛がつぶれてしまいますし、引っ張る事により髪の毛の内部の構造が損傷してしまう事によって起こるダメージです。
市販のヘアアイロンなど上手く髪の毛がはさめないと無理にプレスするとこのダメージが起きやすいです。
ですから、プレスをしなくても伸びるヘアアイロンを使用する事が大切です。
もし今お持ちのストレートアイロンの噛みあわせを良くしたい場合はティッシュを挟むと改善れます。
髪の毛にカールが付いたりくせ毛が伸びる原理
ヘアアイロンやブローで髪の毛に形が付くのには髪の毛の中で4つ事が起きるから形が付きます。
髪の毛に形が付く理由
- S-S結合
- 間充物質の移動
- 水素結合
- イオン結合
私たち美容師はこの原理を利用して普段お客様にヘアスタイルを提供しているわけですが、これはパーマ・ヘアアイロンの形付け・ブローにも使用される原理です。
自宅でのヘアアイロンやブローによるスタイリングは水素結合とイオン結合の2点ですが髪の毛に形が付く原理は水分が飛ぶときに付くという事を覚えておきましょう。
毛髪内部にあるS-S結合による髪の毛の形の変形
髪の毛の中にあるSS結合は髪の毛の形の8割を決めます。
SS結合とは毛髪の内部の形を構成しているケラチンタンパク質と言う物質なのですが、それを繋ぎ合わせているのがγ型ケラチン(非結晶性ケラチン)と言います。この中タンパク質をつなぎ合わせているのがS-S結合と言われる結合です。
この結合を切ったりつないだりする技術をパーマやストレートパーマです。
当然薬液を使用するのでダメージになったりしますが私達美容師も髪の毛に負担を与えないように薬液を付ける前にトリートメント処理をしたりとしています。
間充物質の移動による毛髪の変化(ペプチド結合)
これはパーマやコテパーマで良く使う技術です。髪の毛はパーマ液を使用すると髪の毛が柔らかくなります。
この状態で髪の毛を引っ張ったりプレスしたりすると毛髪内部のタンパク質が移動します。つまり無理やり髪の毛の内部のタンパク質を移動する事で髪の毛が真っ直ぐになったり、カールが付くと言う事です。
簡単に説明してしまえば髪の毛を爪と爪で挟んで引っ張るとちりちりに現象と同じで髪の毛が無理りつぶされて毛髪内部のタンパク質が移動されて起こる現象です。
ストレートアイロンを過度にプレスして使用すると真っ直ぐになりやすいのもこの現象が起きているからです。
パーマ液を使用した場合は髪の毛がスポンジのように柔らかくなっており毛髪内部のタンパク質が移動しやすくなります。ですから、より髪の毛内部が移動しやすく髪の毛に後が付きやすくなります。
また、パーマ液などを使用して髪の毛が柔らかくなっていない状態でプレスしてしまうと固い髪の毛をプレスするのはガラスをつぶすのと同じなので絶対やってはいけません。
LINKストレートパーマと縮毛矯正の違い
水素結合による毛髪の変化
ヘアアイロンやブローで形が付くのはこの水素結合が大きくかかわってきます。
普段のブローも同じです、髪の毛は毛髪内部にある水分髪の毛の外に出た時に初めて形が付きます、身近な物に例えるとシャツをアイロンする時にスチームを使用した方が良く伸びるのもこれと同じです。
毛髪も服も同じ繊維です。繊維は水分がなくなっていくと同時に水素結合が行われ形が付くのです。
ここまでで冒頭に『髪の毛が傷む原因』で水蒸気爆発の話をしましたが、毛髪は水分が多い程水素結合が行われます。ですから皆様が何となく『ジュジュジュ』となったほうが髪の毛に形が付くと感じているのはこの現象が多く起きるからです。
ここで覚えて欲しい事は髪の毛から水分が抜ける時に形が付くという事を覚えておきましょう。
また、以前マイナスイオンドライヤーのお話をしましたが髪の毛は水分10%がある状態が理想とされているのでなるべく水分が髪の毛から出ないようにする工夫も必要になってきます。
これはマイナスイオンドライヤーで髪の毛がしなやかになる原理と同じですね。
イオン結合による毛髪の変化
このイオン結合を簡単に言えば毛髪内部にあるプラスイオンとマイナスイオンの関係です。
髪の毛はアルカリ性に傾くと良くないとか弱酸性の方が髪の毛にいいと言われる本当の理由はこのイオン結合が関係しております。
毛髪はアルカリ性になるとイオン結合が緩み髪の毛も膨潤して柔らかくなります、逆に酸性に傾くと髪の毛がしっかり引き締まってツヤがでます、これは髪の毛の内部のイオン結合が関係しているからです。
ヘアアイロンの適正温度と毛髪へのダメージ
ストレートにするにしてもカールを付けるにしても非常に温度が重要になってきます。ヘアアイロンに慣れている方は140℃前後で巻いたり伸ばしたりできていると思いますが低温になればなるほど髪の毛は傷みません。
逆に低温でも長い時間髪の毛にコテやアイロンを当て続けると熱によるタンパク編成が起きます。
そんなヘアアイロンの温度ですがヘアアイロンで形を付けやすい温度を自分のヘアアイロンの上達に合わせて選びましょう。
初心者の方は縮毛矯正をする温度180℃~200℃でヘアアイロンを使用
高温になると簡単に髪の毛の形を付けやすいので初心者の方におすすめです。
ただし、高温の場合は短時間で1回で仕上げるようにしましょう。2回も3回も同じ場所に使用する事はタブーです。
私達美容師が普段コテパーマや縮毛矯正で使用する温度が180℃ですが。なるべく髪の毛に負担がかからないように1回、なおかつ短時間で仕上げます。
美容室の施術では薬剤の浸透によってヘアアイロンの温度は低温でも大丈夫なのですがその分薬剤でのダメージがあるのでこの辺は髪質によってコントロールしています。
自宅で使用する時も私達美容師が縮毛矯正で使用するときも200℃を使用した方がより簡単に強く形を作れますがその分毛髪へ熱が伝わりタンパク変性が多く起きるので炭化現象が早く進みます。
この温度でヘアアイロンを使用する場合髪の毛に形を付けやすい分炭化現象が速く進むという事を頭に入れておきましょう。
また炭化現象が進んだ髪の毛はパーマやカラーが出来なくなりカットで切るしか直す方法がなくなります。
180℃や200℃を使用する場合は極力早く1回で仕上げる事が重要なので注意をしましょう。
中級者の方は160℃~180℃でヘアアイロンを使用
ヘアアイロンは160℃でも十分に形が付きます。
ただし注意して欲しい事はこの温度でも髪の毛に長くヘアアイロンを使用したり何度も使用すると高温で使用している時と同じになってしまします。
普段180℃ぐらいで使用している方は10℃ずつなれるまで温度を下げて行けば160℃の温度に馴れますのでチャレンジしてみてください。
急にヘアアイロンの温度を下げて使用すると何回もヘアアイロンを通したり長い時間ヘアアイロンを当てたりと余計ダメージの原因になったりするので無理のないように少しづつ温度を下げていきましょう。
低温でも髪の毛に熱を当てる回数や時間が長くなると結局高温でやっているのと変わらないという事を理解しましょう。
上級者の方は120℃~150℃でヘアアイロンを使用
この温度でヘアアイロンを使用出来る方はかなり上級者の方だと思います、ヘアアイロンを低温で使用するには主にドライヤーでの水分の残し方やブローローションの使い方でかなり左右されます。
それ以外にもヘアアイロンを使用するペプチド結合でお話しましたが適度なテンション(引っ張り)も必要になってきます。
この記事で毛髪に形を付ける4つの原理をしっかり理解してヘアアイロンを使用すると無理なくこの温度でも髪の毛に形を付ける事が出来ます。
上手くヘアアイロンで形付けをするにはなかなか難しいと思いますが、ブローローションや洗い流さいトリートメント・スタイリング剤を使用すると簡単に形を付ける事が出来ます。
それ以外にもヘアケアしながらヘアアイロンをする事で髪の毛が傷みにくくオシャレをより楽しめるので必ず使用しましょう。
LINKヘアアイロンの巻き方と髪の巻き髪を綺麗にするおすすめスタイリング剤とミスト
傷みにくい温度は100℃でヘアアイロンを使用
100℃の温度で形を付けるのはとても難しくなってきます。このレベルになると美容師の方でも出来る方は本当に少ないと思いますが実は100℃でも十分髪の毛に形は付きます。
この温度で髪の毛に形を付けるには髪の毛の水分量が非常に重要です。
髪の毛に形を付ける要因で水素結合が関係しているとお話しましたが髪の毛の水分量が多い状態を作ってあげる必要があります。これを可能にするのは洗い流さないトリートメント・マイナスイオンドライヤーで髪の毛に水分が多く含まれている状態で乾いている状態にする事です。
イナスイオンドライヤーは髪の毛のダメージがなくなるドライヤーでも髪の毛が綺麗になるドライヤーでも無くただ単に髪の毛を乾かしすぎないドライヤーなのでヘアアイロン前にはとても有効的です。
一番傷まない方法はスチーム(水分)で形を付ける
スチームカーラーの場合水素結合で形を付けるので熱で形を作る物ではないのでダメージがとても少ないです。
なぜなら水は100℃以上にはならないからです。
それに水素結合も一緒に起きるので簡単に低温で形が付ける事が出来ます。
しかも低温なので前髪を巻く時に熱くないのでヘアアイロンより簡単に巻く事が出来ます。
ただし、スチームカーラーの欠点はカーラー一本一本水蒸気をチャージしないと使用できない(5秒ぐらい)ので結構めんどくさいのと全体を巻くまでの時間がかかります。
それ以外にもカーラーを巻くという技術が必要なのでなれるまでに少し時間がかかります。
カラーを巻くのに慣れている方にはおすすめですがなれていない方には難しいかもしれません。
低温で巻けるヘアアイロンを使う
ルミエリーナのヘアビューロンは毛髪への水分コントロールをするヘアアイロンなので低温で巻けるヘアアイロンです。
ヘアビューロンのバイオプログラミングと言う特殊技術は元々医療技術で特殊セラミックが水分を髪の毛に与えながら髪の毛を巻く事が出来ます。
ですから、毛髪に水分を与えながら形を作るのでかなり低い低温でも形が付けやすいのが特徴です。
ただし、低温で形が付けやすいヘアアイロンでダメージが無いヘアアイロンと言う訳ではありませんので勘違いをしないように注意しましょう。
ドライヤーやヘアアイロンは髪の毛が綺麗になったり治る物ではないという事を覚えて置きましょう。
ヘアアイロンの適正温度のまとめ
髪の毛が傷む原因を理解してもらえたでしょうか?
ヘアアイロンは低温になればなるほど髪の毛に優しいので一度チャレンジしてみてください。
意外と今使ている温度より低温で巻ける事を発見できます。
低温で巻くのが難しいという方ははじめからリュミエリーナのヘアビューロンでも良いかもしれませんね。
間違ってもヘアアイロンに水を入れるタイプの物だけは避けましょう。水を入れるタイプのヘアアイロンは重いだけですし毎回水を入れるのがめんどくさくなって使用しなくなるだけなので参考までに。